七月七日  作:砺波洲亜

雨音が響く


庭の水溜りに、君の姿が揺れた


心が沈むと思い出す


唯一、本気で愛した君のことを



決して変わらなかった二人の距離


その距離は近づくことなどなく


今はもう、ただ離れていくばかり


頭に響く君の言葉


頭に残る君との思い出


頭の中で繰り返される修辞疑問



いつか、君との思い出を笑って話せるように


君を愛することができて、私は幸せだった


そう笑って言えるように


もう泣いてもいいかな



雨音が響く


物憂げな天気予報が、今日一日を通して雨が降ることを告げた


誰にも知られずに


灰色の雲に覆われた空は雨に紛れて


静かに泣いた


コメント


Novel Place CGI-Sweets