別文〜男〜 作:詩人
ずっと、一緒に居たかった。
初めて、こんな気持ちにさせてくれた。
お前は、俺が出会った運命の人。
そう、思っている。
ずっと、一緒に居たかった。
お前は、俺にいつも言う。
このまま、時間が止まればいいな。
そう言って、俯いたお前を励ます。
そして、笑いあう。
それだけでも、幸せだった。
ずっと、一緒に居たかった。
だけど、俺の目の前に、壁が立ちはだかった。
壁は俺を見下ろして、あざ笑う。
何故だろう、お前と居るとき、
何もかもを受け入れるお前の笑顔が、声が、
何もかも感じない。
俺は、知って、絶望した。
壁は、俺の体を削っていた。
俺はもう、お前とはいられない。
お前への気持ちは変わらないのに、
お前と離れるのは嫌なのに。
お前とは、離れてしまった。
だけど、俺の残り時間が短くとも、
俺はお前を支えていたかった。
お前は、こうなることを知っていたのか。
いずれ、俺と離れ離れになることを知っていて、
それでもお前は、俺と居たかったのか。
お前の心を、俺という存在が傷つけた。
そう思うと、とても心が痛んだ。
力の無い俺は、最後の言葉を手紙にした。
この手紙は、お前の心に届くだろうか。
これで、お前は俺の分まで生きてくれるだろうか。
ベッドの上で、俺は静かに眼を閉じた。
俺はもう、お前とは居れないけど、
お前への気持ちは変わらないけど、
お前が俺のところに来てくれるのなら、
今だけ、さようなら。
コメント
詩人 2011/11/14 19:45
詩人です。
今回は『別文〜女〜』と『別文〜男〜』で別々の『別れ』を表現(?)しようと思って書きました。
ところどころ「厨二か!」と言われるかもですが。(--;)
感想等、よろしくお願いします。