流星  作:詩人



今まで、影の中で暮らしてきた。

元々、そこにいたのかは分からない。

日に日に、影は色を強くしていく。

これで、いいのだろうか・・・。



あの人に出会ったのは、ちょうど一年前。

私の心の中に、満天の星空があったようだった。

毎日生きることで手一杯の私に、人の温もりを教えてくれた。

私は、あの人が好きになっていた。



二人で居るようになってから、私は毎日が楽しかった。

それまでは、絶望しかなかった暗い日々が、

少しずつ、光を帯びてきた。

ただ、一緒に居るだけでよかった。



他には何も求めなかった。

求めなくとも、あの人は私に安息を与えてくれた。

ただ、一つだけ。

一緒に居るだけで、幸せだった。





そんな私のちっぽけな願い。

それすらも、叶わなかった。





あの人が、居なくなった。

私は必死にあの人の姿を探した。

見つからない。

夜空の星は、光を失い始めていた。





一緒に居るだけ。

ただ、それだけでよかったのに・・・。





私は、夜空を眺めていた。

背景は漆黒に染まり、そこから点々と輝く星が、何だか寂しい。

その時、流れ星が見えた。

無意識のうちに、私は手を合わせて、願った。





あの人が、私のことを忘れてくれますように・・・。





そっと目を閉じた。

あの人の笑顔が、瞼の裏側にあった。

私の頬に、一粒の光が流れていった。



コメント

詩人 2011/08/27 22:37
最近何かと忙しくてコメントだけして詩が作れませんでした(^^;)

コメントしてくれたらうれしいです。


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