君の為なら [3] 作:因幡ノ白兎
俺がリーレを家に置いてから3日後。リーレの傷はもうほとんど治っていた。
突然リーレが話し始めた。
「君は......この世界の過去がどうなってたか知ってる?」
「いいや、聞いた事がないなぁ。」
「私も詳しくは知らないけど、言い伝えだと、この世界は元々天使と悪魔が一緒に暮らしていたみたいなんだ。ある悪魔の男性が天使の女性に恋をした。何が原因か分からないけどその女性が亡くなったんだ。怒り狂った天界の神 パーシアスが悪魔達を魔界へと落とした。その悪魔達は天界に復讐を誓った。その男性の名は......ヴァーミリオン、魔界の神さ。それから天使と悪魔が争い始めたと言われている。」
「...........過去にそんな事があったのか...。」
「私の事も気になるよね。全て話すよ。」
「いや、無理に話さなくても....」
「大丈夫。それに、私を助けた君には聞く権利がある。」
「そうか...。分かった、聞くよ。」
「ありがとう。私がボロボロになってた理由.....。それは.....、
私が魔界の神 ヴァーミリオンを呼ぶ為の生贄だから。私は何度も逃げ出そうとした。でも、ダメだった。力が足りなかったの。諦めかけたその時、私を閉じ込めてた結界が弱まったの。何とか逃げた、その時に妙な光に包まれて、気づいたらあそこにいた、という訳。私を助けようとする奴なんて1人もいなかったわ。でも、君は私を助けてくれた。君と比べたらこの世界の人なんて小さいものね。」
「そうか......。辛かっただろうな。」
「私の傷はほとんど治った。私は今から、天界と魔界の間で力を蓄える。」
「!!」
「君には感謝してる。でも私は、この世界を変えたい!その為の力が欲しい。
だから、私は行く。」
「.......そうか、止める訳じゃないが、生きて帰ると約束しろ。」
「うん。私は生きて君の元に帰って来る。約束する。」
そう言うと、リーレは天界と魔界の間の扉を開けた。リーレは間の世界に消えていった。
「絶対......帰って来いよ......。」
この時、レオは誓った。あいつが帰って来るまでに、もっと強くなることを.....。
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