君の為なら [1]  作:因幡ノ白兎

あの時...あの時、お前に出会わなければ良かった。
俺は、何度も何度も後悔した...。

3年前

この世界は天使と悪魔、天界と魔界という2つの種族、2つの国に分られていた。
俺はそんな世界の極々普通の天使だ。
「ん....。もう朝か....。」
いつもと変わらない朝がやって来た。その時、
「おーい!レオー!起きてるー?」
と、窓の外から聞きなれた声がした。
うるさいと思いつつも窓を開けた。
「あぁ、起きてる。てか、朝っぱらからデカい声出すな。」
「そうしないと起きないじゃん。」
こいつは幼馴染のパーネ。うるさいくらい元気な奴だ。
「起きてたわ。いつまでもガキと一緒にするな。」
「早く学校行こう?玄関で待ってるから。」
見事なスルー。
そして、俺はパーネと一緒に学校へ行くことにした。

「ねぇ、レオ。今日までの課題やってきた?」
「あぁ、武器の扱い方だろ?当たり前だ。」
言い忘れていたが、この世界は天使と悪魔が国を取り合ってる。つまり、戦争してるって事だ。
「おぉ!流石レオ!!ついでに、私にも教えてよー。」
「..........。言っておくが、高く付くぞ?」
「ちょっ!!金とんの!?」
「当たり前だろ?学校と同じだ。それに3年経ったら戦争に加わらなきゃならねぇんだぜ?その為と思えば、安いもんだろ?」
「うぅ......、言い返せない.......。」
そんな話をしていると、
ガサッ!!
「!?」
草むらで何かが動いた。パーネは気づいていない。
「ん?どうしたの、レオ?」
「い、いや、なんでもない。俺、用事思い出したから先行っててくれ。」
「え?う、うん。分かった。んじゃ、またあとでね。」パーネは走っていった。
草むらに何がいるのは確かだ。
「ん?」
草むらから黒い翼がはみ出ていた。
「これって......まさか....悪魔....?」


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